定番の円形でロゴ作成をしてもマンネリにならないデザインは?

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お店や施設のロゴ作成で、円形のデザインはよく使われているもの。円形の一番の魅力は、安心感。角のない円形はそれだけで親しみやすさを感じて、人の心を引き寄せることができます。ただ、他社との差別化ができず、マンネリなデザインになってしまわないかは心配ですよね。

そこで、人の心に訴える力があって実際使われている円形ロゴデザインをご紹介します。

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配色を工夫する

日本といえば国旗を思い浮かべる人も多いはず。白い長方形の中央に赤い円が配置され、形と色だけというシンプルながらも印象強いデザインを実現しています。あまり意識して見ることは少ないですが、長方形と円の比率は「旗の形は縦が横の3分の2の長方形。

日章の直径は縦の5分の3で中心は旗の中心」と厳密に決まっています。このデザインのすごいところは、何となく描いただけで誰もが国旗だとわかること。日本国民にしっかり浸透していて、誤解しようのない馴染みのあるデザインです。

この国旗の雰囲気をなんとなく感じられるのが、愛媛県今治市の四国タオル工業組合が使っているロゴです。今治タオルと聞いて浮かぶのが、日本製、高品質、安全などの言葉。このロゴを使えるのは、四国タオル工業組合の厳しい認定基準をパスしたタオルだけなので、ロゴは品質認定証のようなものです。

赤・青・白が組み合わされ、赤は太陽や活力を、青は海と水を、白は、雲とタオルの清潔感を表しています。色は反転されていても、上の赤地に白丸は国旗と似ていると思う人もいるでしょう。日本とタオルの安心感をうまく組み合わせた例といえます。

配色で特徴的に見せているロゴには、ペプシコ社のペプシもあります。1940年より前は円形でなく、白と赤だけの筆記体のロゴでした。そこにブランディングの変更で青を加え、徐々に今の形に変わっていきました。ロゴの青・白・赤の配色は、アメリカの国旗や地球などを考えてデザインされているといいます。

はっきりした色彩と斜めに波打つようなデザインは、目に留まりやすくて訴求力がありますよね。ペプシのロゴはコーラ飲料の主要ブランドのものとして、日本にも定着しています。

円を組み合わせる

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組み合わせた円の代表例は、五つのリングが連なるオリンピックのシンボルマークです。白・青・黄・黒・緑・赤の5色は、世界にある五つの大陸の連携や団結を表しています。では、アジアは何色かも気になるところですが、どの色がどの大陸という考えはないようです。

限定しないことで、人々が好きにイメージできるようになっています。また、このマークの注目点は、リングの配置。上に三つ、下に二つを重ねることで、WORLDの頭文字、Wの形になるように工夫されています。このようにオリンピックのシンボルマークは、五つのリングというシンプルな形で、さまざまな角度から世界を表現しているのです。

組み合わせの例には、東京電力ホールディングス株式会社のロゴもあります。丸はやわらかく親しみやすいイメージがあるもの。六つの円を組み合わせることで、明るい家で家族が団欒している様子を表現してあります。色彩は赤と白だけと、とてもシンプルで視認性が高いです。

一つの大きな円の中に二つの小さな円を縦に並べ、その上に小さな円を三つ横並びにして、キャラクターのようなかわいらしさを感じられるようにしているのも、魅力の一つでしょう。電気がある暮らしやぬくもりのある家庭を感じられるロゴデザインです。

イラストを配置する

円の中にイラストを配置している企業は数多くあります。

スターバックスコーヒーは、コーヒーチェーンとしてすっかり馴染みがありますが、日本での初出店は1996年と意外にも浅い企業です。

ぱっと見て一番目立つのが、ロゴの中央に描かれている女性。この人物は個人の女性や女神などでなく、ギリシャ神話の人魚がモチーフになっているそうです。創業者の一人がコーヒーの歴史や港のルーツを探っていた時に、木版画に描かれた人魚を見つけたのをきっかけに、ロゴデザインとして取り入れられました。

緑と白だけというデザインですが、この人魚の姿が強い個性を放っています。ヤマト運輸株式会社は、親子の黒ネコイラストが描かれたヤマト運送のロゴでお馴染みですね。母ネコが子ネコをくわえていて、懐かしくてほっとするイメージを醸し出しています。

実はこのデザインは、1957年に広報担当だった社員の子供が描いた絵から誕生したもの。当時はアメリカの運送会社と提携していて、リアルタッチの親子のネコマークを使っていたその会社に合わせて、ネコマークを作ろうと決まりました。

ただ、日本人に親しみやすくするためにはと悩んでいたところ、子供が描いたネコマークがぴんときたそう。子供の絵をヒントによく街で見られる黒ネコマークが出来上がりました。

文字をデザイン化する

文字をデザイン化する方法は、カーメーカーによく見られます。例えばフォルクスワーゲンは、ドイツ表記のVolkswagenの中からVとWを抜いて、円の中に縦に配置しています。ブルーとシルバーを使い、グラデーションで立体的に表現していて、高級感があるのが特徴です。

ただ、2020年半ばに採用される新しいデザインでは、この立体感がなくなって平面的になります。時代に合わせて、シンプルで無駄のないデザインを目指しているということでしょう。また、日本の車メーカーでいうと、日野自動車株式会社では、HINOの頭文字のHを楕円型に大きく表現しています。

文字の特性から完全に円がくっついているわけではありません。ただそれによって、左右に引き合う形でハイテクノロジーと環境の調和も表し、逆に左右に広がろうとする形で、未来に向けて挑戦する力を表しているそうです。

シルバー一色で、文字の形によって勝負しているロゴ例です。

ポップなイラストを配置する

ほかに、ポップなイラストを配置する例もあります。例えば、生活協同組合ユーコープでは、宅配事業のおうちコープを扱っていて、親しみやすくかわいいロゴマークを使っています。トマトをモチーフにした楕円形のイラストに顔や車輪がついていて、「とれたてトマトくん」が「とれたて」と書かれた旗を持っている姿には、思わずほっこりしてしまうもの。

食品を扱っていて宅配を行っているということが一目でわかります。このようにポップなイラストは、主婦層の心にダイレクトに響きます。ポップと組み合わせることで、円形の魅力である親しみやすさを生かすことができます。

そのため、保育園などの子供向け施設や、動物病院、カフェなど幅広く取り入れられています。

円形ロゴはかわいくもスタイリッシュにもできる

円形のロゴは、かわいらしいイメージになってしまうのではと思いがちですが、色や構成などによって、シンプルにしたりスタイリッシュなデザインにしたりすることもできます。統一感を出しやすく人に嫌われないデザインにしやすいので、企業の顔となるロゴ作成にぴったり。

注目してもらいたいターゲットをよく考えて、自社に合った円形のロゴデザインを取り入れましょう。